一筋縄ではいかぬ

非農家出身の新規就農者が一番苦労するのが農地でしょう
そもそも住宅情報のような情報システムがありません
目当ての土地があった場合は農業委員会に問い合わせるか市の農林課に問い合わせるか
家が分かっていれば直接訪ねるという方法もあります
現在の日本なら大都市圏の農地以外なら高齢化で田畑は余っているでしょう
しかし余ってるから借りれるかと言うとコレがなかなか難しい
今回改めて思ったのでその顛末を
新規就農して5ヶ月、何のつてもないので農業組合の作業に参加したり自治会作業に参加したり自分としてはかなり顔を知ってもらったつもりです
組合の組合長さんがやたら良い評判を立ててくれるので近隣での評判はわりと良いと思います(私は外面が良い!)
今回新たに農地を広げるにあたっても割と楽観視していました
目当ての土地は向かいの家なので軽く考えていました
当日組合長さんと一緒に地主さんのところへ行くと普段接している奥さんとその母親100歳近い婆さんが同席しました
登記上は奥さんだったのでこの時点で「アレ?」と思いました
借りる条件は使用貸借つまり無料です
その代わりに田畑の管理、主に草刈りをやるというのが田畑でよくある使用貸借です
無料かよ・・と思うかもしれませんが草刈りを業者やシルバー人材センターに依頼すれば50aくらいの畑でも年間10万以上はかかるでしょう
何も植えていない場合は畔だけでなく畑の中も耕運か草刈りを依頼する事になりますからそうなるとさらにお金がかかります
じゃあ放置すりゃいいかというとそれも無理です
一度荒れたら田畑に戻すのは無理だと思ったほうがいいです
物理的には可能ですが過疎地でそんな事誰もやらないでしょう
ですので管理と相殺してお借しして頂けませんかという形です
相続した若い人の場合はほぼ問題なく貸してくれます むしろ向こうから借りてくれと言う事も多いです
今回も奥さんはそうだったのですが同席した婆さんがダメという事でした
自分の土地を無料で貸すというのは納得できない 借りるならお金を払うのが当然でしょうと
ごもっともです
というかコチラとしてはそれでもかまいません
10aあたり5000円の賃料なら50aでも25000円ですから下手に無料で借りるより後腐れがありません
ただネックが草刈りでした

もちろんお金を払っても草刈はするのですが話を聞いているとどうも婆さんが気になった時つまり望むタイミングでやって欲しいというような言い方でした
他の畑ですが雑草に見かねて勝手に中に入って刈ったとか
これはさすがに無理です
私のほうからお断りさせてもらいました
今回の件 別に婆さんが理解がないとか言ってる訳じゃありません
というかむしろ婆さんが言ってる事は当然でしょう
先祖代々の土地を見ず知らずの他人に無料で貸せと言うのも無理があります
管理費用が浮くとはいえタダで貸してる事にはかわりません
それに管理費用だ草刈りだ言ってますが実際私がどこまでしっかりやるかも未知数で何の保証もないのですから
農地の賃料なんて微々たるものだしそれより他人に貸す不安の方が大きいでしょう
やはり農地を借りるのは[つて]でしょう
研修先の人が草刈りをしっかりしていれば向こうから来るよって言ってましたがその通りだと思います
ただ無料でも有料でも契約ですからそこらへんを適当にすると後で苦労すると思います
私の友人の場合は地主さんが空いてる場所に野菜を植えたとか
貸してる側としては貸していても自分の土地なんだという意識が強いのでしょう
特に長く農地を守って来た年配の人はそうですね
もっと大変なのが研修中[なあなあ]で借りてあらかた圃場整備が終わってからやっぱり貸せないとか
ここまでくると悪意を感じますが契約なしで他人の土地を使うというのはすこし常識が無いと思います 別の見方をすれば植付が住んでさあ収穫だという時に返せというよりマシだったとも言えます