多様性

営農法人の作業で草刈に行ってきました
作業時間は朝8時から12時までの4時間 年齢が年齢なんで夏場に8時間はできません
メンバーは10人くらいで刈払機と自走式(スパイダーモア)が半々で人海戦術で作業を進めます
私は自走式を担当しました
4時間とはいえ単純作業なので長い・・
何も考えずひたすら無心で刈っていきます
頭カラッポで最後の田の畔を刈っているといるといきなりバサバサッという音とともにカモが飛び出しました
完全に油断していたのでめちゃく驚きました
「脅かしやがって逃げるならもっと早く逃げろよな~」 なんて思って足元を見ると・・・

巣の中に卵が・・・通りで逃げない訳だ
親鳥は離れた場所から心配してこちらの様子を伺っています
はてどうしたものか・・・自分の畑なら迷わず放っておきますが草刈り作業は委託でお金を貰って刈ってる訳です
かといって卵を蹴散らして草を刈るのもさすがに可哀想
とりあえず問題を後回しにして出来る場所から刈っていきました
問題を後回しにするのは私の悪い癖です
しばらくすると「そこは何で刈らんのじゃ?」と爺さんAに聞かれました
「鳥の巣がるけどどうしましょ」と言うと
「そうか・・ほんならええわ」と言って他に行きました
次の爺さんBも「ふ~ん じゃあ置いといちゃろう」と言って他に行きました
その次の爺さんCが来た時は私はかなり離れた場所にいました
絶体絶命のピンチ!
すると爺さんAが「そこは鳥がおるけぇ刈っちゃあいけんで!」と大声で叫んでました

私としてはかなり意外でした
農家と言うのは生き物に対してかなりドライです
害虫なんて頭を引きちぎりますしビニールハウスにネズミが出れば踏みつぶします
罠にかかったイノシシや鹿だってためらいなく殺します
農作物は生活の糧なのだから当然です
もっと単純な話同じ農業でも畜産なら鳥・豚・牛を出荷してる訳です
カモは害が無いとはいえ邪魔な事は間違いないしあっさり片付けるだろうと思ってました
作業が終わった後に爺さんBから「ありゃあキジか?」と聞かれました
私はなんか照れくさくて「カモかキジでしょう・・邪魔にもならんし放っておきました」と言うと爺様は「まあ邪魔とか以前に可哀想じゃけえのう」と言いました
私はだいぶ誤解してたみたいです
そりゃ農家だって被害も及ぼさない動物を殺したりする訳ないです
こんな事当たり前ですな